無症状感染者とエアロゾル感染を考えると、マスクは必須!

2020/04/05

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国内でも、新型コロナウイルス SARS-CoV-2 感染者が急速に増えています。昨日1日で新規に304人確認されました。アメリカ合衆国にいたっては、この1日で28,103人の新規感染者が確認されています。

そんな中、ついにこんなニュースが出ました。
CNN: 「トランプ氏、米国民にマスク着用を勧告 激しい内部協議の末」
これまでアメリカ合衆国はじめ多くの国では、患者以外はマスクをする必要は無いという方針を貫いてきました。我々潔癖症の人間からすると、ちょっと信じられない方針でした。しかし風向きは変わってきています。

「マスクしないなんて考えられない」という潔癖症のあなた、その考えは正しいです。
なぜ、マスクをするべきか? キーワードは「無症状感染者」と「エアロゾル感染」です。

無症状感染者とは?

医学的には「無症候性キャリア」と呼んでいます。病原体に感染しているが、何の症状も見られない人のことです。症状は出ていませんが、病原体を体内で増殖させ、他の人へ感染させる能力は持っています。
様々な病原体で無症状感染者の存在が確認されています。10年程度の潜伏期間を経てエイズを発症する、HIV感染症は有名な例です。SARS-CoV-2 についても、無症状感染者が確認されており、冒頭に述べた感染者の中にも無症状の方が含まれています。しかし、無症状の方に対して感染の検査をするのは、身近に発症者が出たときだけですから、無症状感染者が実際どれくらいの割合で存在しているのか、はっきりしていません。

あなたも感染者かもしれません

現在、国内の都市圏では、SARS-CoV-2 感染者の半数以上について、感染経路が特定できない状態となっています。これはウイルスが蔓延している、すなわちそこいら中に感染者が居る状態になっている可能性が高いことを示しています (あるいは、外出自粛の状況下で3密環境に居たことを言わないため、でもあるのですが……)。
この状況下では、「自分もすでに感染しているかもしれない」と思って行動するのが、感染拡大を防止するために重要です。その1つが、マスクの着用ということになります。以前から言われている通り、感染者の飛沫を飛散させないためには、感染者がマスクを着用することは極めて重要であり、自分が感染しているかもしれないのであれば、マスクを着用すべきです。

エアロゾル感染とは?

もう1つのキーワード「エアロゾル感染」とは、感染経路の1形態です。
伝染病が社会に蔓延していく際の感染経路は、医学的には3つに分けて考えられています。

  • 接触感染
    • 感染者の皮膚・粘膜や、感染者が触れた物に触れて感染する
  • 飛沫感染
    • 感染者の咳、くしゃみ、あるいは発話で飛んだ唾液、粘液から感染する
  • 空気感染
    • 乾燥した飛沫 (飛沫核) や、乾燥した吐瀉物を含むちり・ほこり (塵埃) を介して感染する

下に行くほど感染力が強くなります。接触感染は文字通り接触することで感染しますが、飛沫感染は飛沫が飛ぶ範囲まで感染範囲が広がるので、より感染力が強いです。だいたい感染者から2mくらいまでと言われています。空気感染は乾燥した粒子が媒介する感染ですが、乾燥した粒子は軽いため、空気中に長時間滞留しますし、風で遠くまで広がります。非常に感染力が強いです。しかし、空気感染するのは、結核、はしか、水疱瘡くらいしかありません。多くの病原体は乾燥することで感染力を失うためです。SARS-CoV-2 についても、空気感染はしないものと考えられています。

しかし最近、「エアロゾル感染」という言葉が聞かれるようになりました。
エアロゾルとは、液体の粒子だが、粒子が小さいため気体のように空気中に拡散して長期間漂うことができるものを指します。
つまり「エアロゾル感染」とは、病原体を含む液体の小さな粒子が媒介して感染することを指しています。

エアロゾル感染の性質

エアロゾル感染は正式な医学用語としての定義はされていません。乾燥していない唾液、粘液の粒子ですから、飛沫感染の一種と捉えています。しかし、通常の飛沫とエアロゾル飛沫は、性質が異なります。
通常の飛沫は数秒で地面に落ちます。しかし、エアロゾル飛沫は数分から数十分空気中を漂っていると見られます。飛沫感染は直接対面している相手だけ警戒し、2m程度離れていれば良いと言われますが、エアロゾル飛沫を考慮すると、感染性の飛沫粒子が長時間空気中に留まることになりますから、空気感染のように空間的、時間的に離れた相手からの感染を警戒する必要が出てきます。

マスクはエアロゾル感染対策になる

マスクは、非感染者が着用しても感染予防にはならないと言われています。
花粉や塵埃はブロックできますが、空気感染するようなウイルス入り飛沫核は小さくてブロックできませんし、飛沫は空気中を漂っているわけではないので、マスクはあまり関係がない、というわけです。
しかし、病原体を含んだエアロゾルが空気中を漂っているとなると、話は別です。エアロゾル飛沫は空気感染の飛沫核よりはサイズが大きく、サージカルマスクでブロック可能です。また液体なので、ガーゼマスクでもガーゼに触れれば吸収されてブロックされます。

マスクによるノドの乾燥防止も効果あり

もう1つマスクの効用があります。それはノドの乾燥防止です。
鼻・口から侵入したウイルスは、ノドの粘膜で捕捉され排除されますが、乾燥で粘膜が荒れていると、細胞までウイルスが到達しやすくなります。つまり、感染しやすくなるのです。
マスクを着用していると、少し乾燥が防止されるので、感染防止につながります。

外出の際はマスク着けましょう

こういうわけで、自分への感染を防ぐためにも、周りに感染を拡大させないためにも、マスクの着用は有効です。
外出の際は是非マスクを着けましょう。




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