「潔癖症」の意味
まず、「潔癖症」という言葉がどういう意味で使われているかを考えてみます。国語辞典などを引くと、「不潔なものが極度に嫌いな性格」といったようなことが書いてあります。わたしたちの直感的な「潔癖症」のイメージとも合ってますよね。
さて、「潔癖症」は医学用語ではないのですが、病的な「潔癖症」ってありますよね。こういったものは医学的にどう取り扱われているのでしょうか。
精神医学の世界では、「不合理な行為や思考を自分の意に反して反復してしまう」症状を指して、「強迫性障害」と呼んでいます。強迫性障害の代表的な症状の中に、「不潔恐怖」あるいは「洗浄強迫」と呼ばれるものがあり、これが病的な「潔癖症」に該当すると考えられます。
「強迫性障害」は、「自分の意に反して」いるということがポイントになります。好き好んで清潔を保っている人というのは、「強迫性障害」とは異なってきます。つまり、病気とは考えられていません。
潔癖症には2種類ある
言い換えると、「潔癖症」には2種類あるということになります。- 超綺麗好き … 汚いものを綺麗にするのが好きな人 (病的ではない)
- 不潔恐怖症 … 汚いのではないかという不安で、洗い続けてしまう人 (病的)
DSM-5 (精神障害の診断および統計マニュアル) における強迫性障害の診断基準を不潔恐怖症に当てはめると、以下のような方が該当します。
- 手や体が汚れている、汚いと思っているものに触れないといった強迫観念がある
- 手や体を何度も洗わないと気が済まない、外出から戻る度に持ち出した物 (お金、鍵、カードなど) を洗わないとならないといった強迫行為がある
- 強迫観念が強い不安や苦痛の元となっており、それを抑え込もうとしたり、強迫行為によって緩和しようとしたりする
- 強迫行為は現実的でも有効的でもなく、明らかに過剰・不適切である
- 強迫観念・強迫行為が時間・体力・精神力を浪費し、苦痛を伴い社会的機能を害している
本サイトでは、前向きに潔癖症を楽しんでいる綺麗好きな方へ向けた情報も発信しますし、不潔恐怖症の方の強迫観念・強迫行為を緩和できるような正しい知識を自信を持ってお届けしていきます。
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