モラクセラ菌って何?
2011年に花王が、洗濯後に発生する衣類の悪臭の原因が「モラクセラ・オスロエンシス」という細菌であると同定しました。モラクセラ属の菌は、人や動物の皮膚や粘膜に居る常在菌です。モラクセラ属に属する菌のうち、モラクセラ・オスロエンシスが、4-メチル-3-ヘキセン酸という雑巾臭のする物質を産生することが分かりました。
雑巾臭はどうすれば消える?
生乾きの洗濯物からの雑巾臭を除去するには、モラクセラ菌が産生した4-メチル-3-ヘキセン酸を除去すると同時に、このモラクセラ菌を退治する必要があります。4-メチル-3-ヘキセン酸は洗濯すれば容易に落ちますが、モラクセラ菌の方は意識的に除菌する必要があります。しかも、衣類だけでなく洗濯機からも同時に除菌する必要があります。これは忘れがちなので、注意してください。今回は、モラクセラ菌の除菌方法を紹介したいと思います。熱で殺菌
一番確実な方法は、熱で殺菌することです。例えば以下のような方法があります。
- 洗濯前に60℃以上のお湯に数分間漬ける
- 洗濯後、乾燥機で60℃以上まで熱する
- 隅々まできっちりアイロンをかける
薬品で殺菌
一度熱で殺菌していて、モラクセラ菌の量が減っている場合や、熱を加えることが難しい素材の場合、薬品での殺菌も検討に値します。
- 次亜塩素酸ナトリウム系漂白剤 (ハイターなど) で除菌
- 40℃のぬるま湯+酸素系漂白剤 (過炭酸ナトリウムなど) に漬け置きで除菌
- 消毒用エタノールや次亜塩素酸水で除菌
また、着用している衣服に付着した可能性があるモラクセラ菌は、消毒用エタノールや次亜塩素酸水をスプレーすることで応急処置ができます。外出から帰ってきたときにスプレーすることで、家の中の他の場所に付着させて広がってしまうことを防ぐ効果があります (とはいえこれも確実ではないので、潔癖症的には着替えた方がいいですね)。
徹底除菌のために気をつけること
実際に徹底的にモラクセラ菌を排除し、雑巾臭をさせなくしようと思うと、身体、衣類、靴、洗濯機、寝床、椅子、床といったあらゆる物・場所を一斉除菌することが肝要です。そうしないと、またあっという間に広がってしまいます。以下のような点に気を付けましょう。
- 除菌が済んでいる物・場所とそうでない物・場所を意識して、隔離すること
- 入浴後は除菌が済んでいない物を身に付けたり、場所に触れたりしないこと
- 殺菌済みのタオルで身体を拭く
- 殺菌済みの衣服を着る
- 除菌済みのドライヤーを使う
- 除菌済みの椅子・ソファーにしか座らない
- 殺菌済みのシーツをかけ、殺菌済みの枕・掛布団を使う
- 外出後は身体・持ち物に付着しているモラクセラ菌を家の中に広めない
- 足は消毒用エタノールや次亜塩素酸水で清拭してから家に入る
- 外で着ていた服を椅子・ソファー・寝床に触れさせない
- 電車・バス・タクシー・飲食店の椅子に座ったら必ずモラクセラ菌が付いていると思ってください
- 基本的には全部脱いでしまいましょう
- バッグなども部屋の中に持ち込む前に除菌しましょう
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